【コミュニティ・インタビュー】 ハースストーン実物カードフレーム制作、山本かな氏

【コミュニティ・インタビュー】 ハースストーン実物カードフレーム制作、山本かな氏

先月、全世界で「ハースストーンへの溢れんばかりの愛を表現した写真を投稿する」ハースストーンの2周年記念イベントの開催が告知された。優秀な作品の投稿者には豪華ハースストーングッズの数々が送れるほか、最高賞を射止めたプレイヤーには「カリフォルニア州アーバインのブリザード本社への旅」がプレゼントされる。

当選者はまだ決定していないが、そんなイベントに日本から「溢れんばかりの愛を表現した写真」を投稿したのが山本かな氏だ。なんと彼女は本イベントのために材料を調達し「ハースストーンの実物のカードフレーム」を制作。イベントへの応募後、個人のTwitterに写真を公開し大きな注目を浴びた。

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山本かな氏の作品: 「ハースストーン2周年おめでとう!」

一度は誰もが考えるアイデアかもしれないが、実際に作ってしまう人はほとんどいない。山本かな氏は今回どのようにして実物のカードフレームを制作したのか。以下に本人のインタビューを掲載する。

※今回のインタビューは2周年記念イベントの当選の可否とは関係ございません


―まずはご自身や作品制作を決めた背景について、簡単に紹介いただけますでしょうか。

山本かな: 神奈川県在住の会社員です。ゲーム関係のグラフィックデザイナーをしているほか、ときおり自分のサイトで漫画も掲載しています。今回の作品は「ブリザードの本社に行けるチャンス」ということで、「これしかない!」と思って根性で作りました。私だとゲームの実力でブリザード本社を訪ねるのは無理ですから。

―「レジェンダリーカードのフレーム」というアイデアはどこから?

山本かな: 実は、バレンタインデーに彼氏が「踊る剣」をベースにしたカードをプレゼントしてくれたんですよ。それがすごくうれしかったので、「自分もリアルなもので何か作ろう!」とずっと考えていました。そしたらハースストーン2周年記念イベントの告知が目に飛び込んできたんです。

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「踊る剣」のバレンタインカード

―具体的な制作の過程を教えていただけますか?

山本かな: 大きく分けると画像のデザイン、プリント、貼り付けの3段階に分かれます。まずは大好きなドクター・ブームのスクリーンショットをベースに、画像加工ソフトで独自の名前やカード効果を入れました。その画像データをコンビニでプリントして、段ボール紙に貼り付けたんです。

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裏を見ると段ボール紙であることがよくわかる。
マナと攻撃力と体力が7/7/7なのはドクター・ブームが元になっているため

―コンビニでプリントしたということは、画像は印刷用紙ですか?

山本かな: ええ。実はペラペラの、A3サイズの印刷用紙なんです。思った以上に色がくっきり出たのでびっくりしました。コンビニのプリンターに感謝です。こんなところで一体何をやっているのか、という気もしましたが(笑)。

―まるでプロの作品のような、特殊な印刷技術と素材を使ったかのように見える出来栄えでした。

山本かな: 写真では目立たないように撮っていますが、表面はけっこうシワがあるんですよ。

―制作で苦労したところはありますか?

山本かな: 素材となる段ボール紙の調達ですね。新宿の文房具専門店に行って、直径約1メートルの段ボール紙を購入したんですが、これが思ったよりも大きくて。電車が混雑する時間帯でもあったので、折れないように、かつ人の迷惑にならないように持ち帰るのが大変でした。中間の車両だとどうしても邪魔になりますから、先頭車両の運転席の近くに段ボール紙を立てて……なんとかやり過ごしました。

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枠は人が入るのにちょうど良い大きさ

あとは、段ボール紙を切り出すのにもけっこう手間がかかりました。プリントした画像を段ボール紙に合わせて型取りし、業務用のカッターで切り抜いたのですが……段ボール紙が硬かったです。

上部の龍やマナ、攻撃力やアタックなど、立体的に見せたい部分は別パーツで用意

―制作には時間がかかったのでしょうか?

山本かな: いえ、それが1日でできました。午前中に画像データを加工して、午後に段ボール紙を買い行って、コンビニで印刷して。あとは切り抜きと貼り合わせです。思ったより簡単でしたね。

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試行錯誤の写真。光の当て方に苦労したという

―撮影場所に神社を選んだ理由は?

山本かな: 彼氏のアドバイスですね。「神社だときっと『日本!』という感じがするよ」と。

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ブリザード本社に「突撃」し、自分に当選が来るようにとの思いを込めて「挑発」を入れた。
「当選したら休暇を取ります」と上司にも連絡し、承認済みという

―ありがとうございます。話は変わりますが、ご自身とハースストーンについても伺いたいと思います。ゲームを始めたきっかけは?

山本かな: ハースストーンを始めたのはアメリカ人の彼氏にお勧めされたのがきっかけです。英語が苦手だったのでしばらく躊躇していたのですが、日本語版が登場したのを機に始めました。昨年の11月頃だったと思います。そしたら見事はまってしまい……誘ってくれた彼よりもランクが上がってしまいました。といってもランク12と15の関係なんですけどね。

―具体的にはどのあたりがハースストーンの魅力だと考えていますか?

山本かな: 何といってもヒーローやミニオンのボイスがいいですね! 一番好きなのはメディヴです。とても渋くて格好良いです。私自身は負けることが多いのでいつも投了のボイスばっかり聴いていますが……。ミニオンだとレプラノームやワームレストのエージェントですね。「気持ち悪いよぉ」「抱きしめてくれぇ!」「馬鹿にしてるのか!?」など……。声を聞いているだけで幸せな気持ちになれるので、ずっと続けていられるのだと思います。

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―なるほど。普段のプレイの仕方としては?

山本かな: いつも通勤時間にやっています。ときどき駅を乗り過ごしますが……。時間としては片道約40分で、帰宅してからもPCでずっとやっているので……毎日2~4時間でしょうか。プレイするのは主にランク戦ですね。闘技場にも手を出してみましたが、カードの種類が多くて、「ちょっと難しいな」と思ってしまいました。


各カード裏面デザインもコンビニの印刷機でプリントした

―ハースストーンの関連でチェックしているサイトや配信などはありますか? 今後の参考のためにも、ぜひ教えていただけますと幸いです。

山本かな: 公式サイトの記事やTwitterをチェックするほか、Twitchでときどき国内プロゲーマーの方の配信を観て勉強しています。

できれば上手くなりたいんですけど、どうすればいいのかわからないんですよね。3月のアジア太平洋冬季選手権の配信も観ました。とても面白かったんですけど、レベルが高くてついていくのが大変でしたね。実況解説で専門用語が多くてよくわからなかったんです。たとえば「ミッドレンジ・ドルイド」という言葉が聞こえましたけど、「ミッドレンジって何!?」という状態でした。

私がゲームが苦手なだけなのかもしれませんが、できれば私と同じぐらいのレベルの初心者さんが実況席にいて、質問してくれたらいいなあ、と思っていました。

―オンラインやオフラインのイベントに参加されたことは?

山本かな: まだどこにも参加したことはないのですが、初心者向けのオンライン大会があれば参加してみたいと思っています。オフラインイベントにも興味はあるのですが、初心者1人だと行くのがやっぱり勇気が要ります。ただ、探し方が悪いのかもしれませんが、イベント情報をどこで見ればいいか、わからないことが多いんですよね。(※)

※イベント情報については、一部の情報を「炉端の集い」ページもしくは公式Twitterで発信しているのでご確認ください

―本日はどうもありがとうございました。

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山本かな氏が一番好きなカードは炎の王ラグナロス。「ときどき挑発の壁を乗り越えて相手にダメージを与えてくれるので、とても頼りになります」とのこと

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