Hunteraceは台北で王座を手にできるのか?

Hunteraceは台北で王座を手にできるのか?

Casper "Hunterace" Notto選手は獲得ポイント世界一、正真正銘のポイントランキングトップ選手だ。その一方で彼は、2019年のHCT世界選手権に出場する選手の中で唯一、HCT夏季選手権、HCT秋季選手権、HCT冬季選手権のいずれにも出場経験のない選手なんだ。そんな事実と、プロシーンに多大な影響のある環境の大きな変化を考えあわせれば、「神童」の活躍を疑う人も出てくるかもしれないな。

もちろん、それは馬鹿げた考えだ。なぜってHunterace選手は「ハースストーン」史上、最も安定して好成績をあげているプレイヤーなんだ。彼の過去の大会記録を見れば、軒並みトップ10以内を占めてることが分かるだろう。昨年Hunterace選手は9つのHCTツアーストップに出場しているが、ソウルやイタリアなど、その内の7つのツアーストップでトップ8に入賞し、トロントとドイツでは2位、HCT Tokyoでは準決勝に進出している。しかも彼は旧ポイントシステムの最高ステータスである「3スター・マスター」に、一番初めに到達したプレイヤーなんだ。

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台北ではHunterace選手は「死のグループ」と呼ばれるグループCに入っている。Mark "Ike" Eichner選手、David "Justsaiyan" Shan選手、Kacper "A83650" Kwieciński選手なんていう面々といきなり相まみえることになるんだ。「毎年そう言われてるかもしれないけど、今年の世界選手権はこれまでになくレベルの高い選手が揃った厳しい戦いになるのは間違いないね」とHunterace選手。「それに、ローテーションの影響で環境はがらっと違う」

それを裏付けるように、2019年のHCT世界選手権に出場するプロ選手のほとんどが、それまでの大会で使っていたものとは異なるアーキタイプのデッキを持ち込んでいる。「コボルトと秘宝の迷宮」と「凍てつく玉座の騎士団」以降ハイレベルなプレイでずっと定番であり続けてきた強力なカードは、ワイルドに移行してしまっている。そのため競技シーンでは「妖の森ウィッチウッド」、「博士のメカメカ大作戦」、「天下一ヴドゥ祭」のあらゆるカードの価値が改めて精査されることになった。

「誰もが全く新しいメタを考える必要があるんだ」とHunterace。「メタだとすら言えないよね!誰もがデッキ構築を一からやり直す必要がある。大会への準備がどうなるかは興味深いね。個人的には不安もあるけど、楽しみでもある。有利を得られる可能性もあるけど、大変なことは確かだ。僕には最高のデッキを見つけるのを手伝ってくれる練習グループがいるから、一歩抜きんでることができればと思ってる」

今では知り合いも増えたHunteraceだが、父親に保護者として付き添ってもらって未成年で初めて参加したドイツでの大会のことを今でも鮮明に覚えている。そこで彼は初めて「ハースストーン」の友人をつくり、そのときに知り合ったプレイヤーの多くは、今も彼の練習パートナーになっている。そうした人間関係は練習ではとても重要だが、試合になれば「ハースストーン」の「神童」であるかどうかは関係ない――頼れるのは自分の実力のみだ。

カードは配られた

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Hunterace選手のHCT世界選手権のデッキリスト

18歳とは思えないほど控えめな性格のHunteraceは、自身のプロとしてのキャリアに対して非常に批判的だ。「僕はプレイオフで活躍できていない」とHunteraceは言う。「調子が良かったときでも、結局トップ8で負けてしまった。過去に2回、(シーズン)選手権まであと一歩のところで敗退している。2017年もあと一歩のところまで行ったのに、Pavelに負けたんだ!」

2016年のHCT世界選手権でトロフィーを獲得したPavel "Pavel" Beltukovは、今年の5月から始まるハースストーン・グランドマスターズにHunteraceとともにヨーロッパ代表として参戦する。「あの頃はPavelの絶頂期で、まさに無敵だったよ!不運だったね!実際、僕のラインナップは理論上はPavelに対して超有利なはずだった。でも、なぜかそうならなかった」とHunterace。「当時は、トップ8に入ってゴールデンのカード裏面デザインを貰えるだけで嬉しかったのを覚えてるよ!でも、去年の僕は違った。去年は世界選手権に出場することだけを考えていた。そのことしか眼中になかった」

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2019年のHCT世界選手権で好成績をあげることがHunteraceにとって何より重要なのは明らかだが、経験があるゆえに知恵も深い――自分のターンが回ってきていよいよカードを切る時にこそ、Hunteraceは今の自身の地位にまでたどり着くことのできた実力が優れたものなのかどうかを実証できる。彼はその事実も受け入れているんだ。

「大きなプレッシャーを感じているのは間違いない」とHunteraceは言う。「でも、僕は自分で自分にプレッシャーをかけてるんだ。自分をがっかりさせたくないからね。『ハースストーン』の仕組みは分かっている。どんなことだって起こり得るから、時には自分に不利な流れが続くこともある。僕の目標は、常に実力を出し切って最善を尽くし、ミスを犯さないことだ。完璧を目指すんだ。それは不可能なことだけれど、僕は完璧を目指して最善を尽くす。それで実力を出し切ることさえできれば、結果がどうなったとしても個人的には満足さ」

最後にHunteraceは付け加えた。「もちろん、絶対に優勝したいけどね」

「チャンピオンは誰だ!」で(史上初めて)Hunteraceを選ぶことができるぞ。こちらをチェックしてくれ。2019年のHCT世界選手権を観戦しよう!配信は4月25日11:00(日本時間 24時間表記)からTwitch.tv/PlayHearthstonejpで始まるぞ!