【コミュニティ・インタビュー】 ハースストーン春季選手権日本代表、Jako1910選手

6月4日と5日に横浜でおこなわれた「ハースストーン日本春季選手権」。約300名もの観客が見守る中、勝利をものにしたのは弱冠18歳のJako1910選手だ。


Jako1910選手

Jako1910選手がハースストーンのプレイを始めたのは去年10月の日本語版リリース後である。つまり、わずか半年強で日本の頂点に君臨したことになる。 そんなJako1910選手はどのような準備をして今大会に臨んでいたのか。6月18~19日のアジア太平洋春季選手権に向けた意気込みも含め、以下にJako1910選手のインタビュー内容を掲載する。


ハースストーン日本選手権会場


―優勝おめでとうございます。数日経った今のお気持ちを聴かせてください。

Jako1910: ありがとうございます。達成感があるというよりも、「大会が終わらなかったな」という感覚が強いです(笑)。前回の日本冬季選手権では負けてしまいましたので。次にアジア太平洋春季選手権が控えている、目指すものがある、というのはいいですね。

―今回の日本春季選手権に向けて準備した点は?

Jako1910: 冬季選手権のとき「オフラインの試合は思った以上に消耗する」というのがわかったので、ランニングなど体力づくりをがんばっていました。ゲームでこんなことを言うのは珍しいかもしれませんが……(笑)。あとは大会ルールを意識したヒーロー構成等ですね。

―日本冬季選手権のときに比べて、ご自身の中で変化を感じたことは?

Jako1910: 以前の自分よりも強くなっている、と思います。具体的には細かい部分に理由をつけてプレイできるようになったり、ミスの頻度が減ったりしました。

直接の実力とは関係がないかもしれませんが、人とのつながりが増えましたね。日本冬季選手権で知り合ったり、その前にレジェンド2位を達成して注目を集めたことで、ハースストーンの知り合いが増えました。知り合った皆さんとはよくスカイプをつないで雑談しながら対戦したり、月末のランク戦プレイで一緒にプレイしたりしています。

レジェンド2位を達成した際のツイート

―これまでのゲーム歴やハースストーンを始めたきっかけについて、具体的に教えていただけますか?

Jako1910: TCG(トレーディングカードゲーム)を小学2年生の頃からプレイしていました。約9年です。ハースストーンを始めたのは日本語化がきっかけですね。以前からカードゲームのコミュニティやサイトで話題になっていたので、「日本語化したならやってみよう」と思い、始めました。

―元々はTCGプレイヤーだったんですね。Jako1910選手がハースストーンを続けている理由としては?

Jako1910: それが、なんで続けているのかよくわからないんですよね(笑)。もちろん、面白いから続けられていると思うんですが…。以前やっていたTCGと比べても、ハースストーンは長所もあれば短所もあるので、特別「ハースストーンのこの点がすごく好き」というのは無いですね。「仲の良い友人がやっているから」というのが一番の理由かもしれません。

―少し意外な答えです(笑)。

Jako1910: もちろん、他人と競い合うのが好きな性格、というのもあると思います。ハースストーンを始めたときも大会は視野に入れてプレイしていました。ポイントは少なかったので冬季選手権に出られるとは思っていませんでしたが……1月末にレジェンド2位を取ったおかげでなんとか滑り込めました。


日本春季選手権を見つめる観客たち

―Jako1910選手は日本冬季選手権にも出場しており、半年も経たずに日本のトップクラスに到達したということになります。そんなJako1910選手は、ハースストーンで強くなるには何が大事だと考えていますか?

Jako1910選手: まずは量をこなすという意味でのプレイ時間ですが、他人の配信を観ることも大事です。自分の場合、楽しみながら友人の配信を観ていることもあるんですが、戦略を練るために目的を持って観ることもあります。たとえば、特定のデッキのプレイングを知りたいときは、そのデッキのスペシャリストの配信を観て動きを研究します。1日のプレイ時間としては7~8時間ですね。


Jako1910選手は有志のサイト「ハースゲーマーズ」にデッキガイドを寄稿していたことも(記事リンクはこちら

以前のインタビューでNanoSecond選手も同様のことを言っていました。ところで、拡張版「旧神のささやき」リリースから1カ月経ちましたが、Jako1910選手の所感としては?

Jako1910選手: 意外なほどバランスが良かったですね。リリース前は「明らかにバランスを壊すだろう」と思っていたカードがたくさんあったんですが、実際にプレイしてみると違いました。たとえば4マナ7/7の「炎まとう無貌のもの」です。「大物ハンター」が弱体化されることもあって止まらないことを心配していましたが、そこまでの強さではありませんでした。

逆に「希望の終焉 ヨグ=サロン」は予想以上に強かったですね。四旧神の中で一番使われていますし…。ドルイドの呪文「旧神のささやかな灯」も、思った以上に強力でした。

―「希望の終焉 ヨグ=サロン」といえば、そのランダム性の高さで話題を呼びました。このカード以外にも、ハースストーンにはランダム性のあるカードが存在します。Jako1910選手はハースストーンの運要素をどう捉えていますか?

Jako1910選手: 最初の頃は理不尽だと思ったこともありましたが、最近はこのゲームの良さでもあると思えてきました。運要素のおかげで、何か起こるかわからない楽しさというのもあると思うんです。逆にこのゲームから運要素を完全に無くしてしまったら、楽しさもなくなってしまうのではないでしょうか。

―アジア太平洋春季選手権の話題に移りましょう。準備の仕方としては?

Jako1910選手: 参加プレイヤー数が少ない大会なので、ほかの選手の情報を集め、対策を用意するのが大事だと思っています。プレイヤー数が多い大会だと全体の傾向をつかむ必要があるので、準備の仕方が少し違いますね。

―最後に、大会への意気込みを教えていただけますか?

Jako1910選手: 自分は常日頃「化け物のようなプレイヤーになりたい」と思ってプレイしています。今回優勝時に「アジア太平洋春季選手権で全勝してBlizzConに行きます」と言ったのはアピールではなく本心です。次の試合で勝つことが今から楽しみです。

―本日はありがとうございました。


Jako1910選手が最も好きなカードは1マナでどんなミニオンでも粉砕できる「止めの一撃」。「不利な盤面を立て直すのに使えます。便利すぎるので、いつか弱体化されると思うんですけどね(笑)」とのこと

ハースストーンアジア太平洋春季選手権は日本時間6月18~19日(土日)に開催される予定だ。日本語配信はPlayhearthstonejp(Twitch)で予定しているぞ。

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