ふむ、飛び入りのお客様ですか。お早いお着きですな。
メディヴ様は…その、上の階で準備をなさっておいででして。ですが、それが済み次第、貴方様をご案内なさるでしょう。それまでしばし、お外でお待ちいただけますか。
ああ。お入りになりたい、とおっしゃる？ はぁ…。わかりました、わたくしめはとてつもなく重要な準備の指揮を執っている真っ最中ですが、それを後回しにして貴方様のツアーガイドを承っても、おそらく問題にはなりますまい。
おお。わたくしとしたことが、失礼を。ご挨拶が遅れました。わたくしはカラザンの家令、モローズにございます。カラザンはアゼロスで最も荘厳な魔法の城として広く知れ渡っております。ええ、建物全体が魔法の力に満ち満ちて、きらめいておるのです！ 旦那様はどうやら、こここそが史上最大のパーティの会場として相応しい場所である、とお考えのご様子で。そう、「大パーティ」とおっしゃっておいででした。
ご自由にどうぞ（自己責任で）
普段でしたら、お客様にはダイニングホールでお茶をお勧めするのが当方の倣いでございます。しかしながら、あちらはまだパーティの飾りつけの真っ最中ですので、直接食堂へと参りましょう。当方の食堂は魔法によりほぼ完全に自動化されておりまして、またゲスト数百人分のお皿と銀食器も揃っております。食器はどれも由緒ある高価なアンティークでございますし、中には国王陛下からの賜りものもございます！さあ、どうぞ！こちらが食堂でございます！
いかがですか？ 食器が歌い、踊っておりますでしょう。音楽食器は認可済み装飾品リストには載っておりませんが、この歌はイケてると思いませんか？ メディヴ様はお客様方にお喜びいただこうと、お目に止まったあらゆるものに魔法をおかけになられたのです。パーティは常に新鮮な驚きの連続となりましょう。しかし、妙ですな…普段旦那様がおいでの時は、彼らは行儀よくしておるのですが。さて、先へ進むといたしましょう、フォークと踊るのはディナーまでお待ちを。これが本当のフォークダンス、ですな。ハッハ。ハ…。オホン。どうぞこちらへ。
画廊伝説
この廊下を進む際は、是非とも左右をご覧ください。ここに並んでいる絵画はどれも皆、歴史に語り継がれる名匠の作品ばかり。何点かは、まだ生まれてもいない画家の作品でございます！ハッハ、それらの作品を旦那様が如何にして手に入れたのかは、わたくしにもわかりかねます。作品にはお触れになられませぬよう。
ええ、どれも素晴らしい芸術作品でございましょう？ああ、そちらの幕がかかっているものでございますか？それは絵画ではございません。鏡でございます。魔法の鏡でございますよ。メディヴ様が試作中の魔法をかけ、生命を与えたのでございます。最初は少々口汚かったのですが、今ではすっかり友好的になっております。おべっかさえ言うようになったのですよ！…だいたいいつも。そしてこちらが、遊戯室でございます。
ワン・ゲーム・イン・カラザン
当方の遊戯室にある遊戯はたった一つ、チェスでございます。皆様ご存知の通り、メディヴ様は大のチェス好きでございまして。繊細に彫られた駒、複雑なる戦略、知性と知性の激突！旦那様はそれらに目がないのでございます。いかにも、チェスこそがこの遊戯室の、唯一の遊戯でございます。
駒が大きすぎるため、他の遊戯を行うスペースがないからかもしれません。あるいは、他の遊戯の道具が運び込まれるとチェスの駒たちが怒って、誰も見ていない時にめちゃくちゃに破壊してしまうから、かもしれませんな。理由はどうあれ、とにかくここではチェスなのです！
危険はないか、と？このチェスセットは非常に強力な魔力で動いており、時には自我を示すこともございますが、完璧に安全であることはこのわたくしが保証いたします。ただし、ここでバックギャモンをしようとおっしゃるなら保証はいたしかねますな、ハッハ！
さて、お楽しみいただけましたでしょうか。それにしても、旦那様がまだおいでにならないとは。ちと、妙ですな。となれば、旦那様がいらっしゃるまで、オペラ劇場をご案内するとしましょうか。
ああそれと、幾人かの素敵な方々が、今夜のパーティについて好ましい記事を書いておられます。それらをお読みになって、まもなく始まるパーティへの期待を高めるというのも、また乙なものかと。