妖の森ウィッチウッド – 名状しがたい名士録 III

妖の森ウィッチウッド – 名状しがたい名士録 III

ウィッチウッドの邪悪の化身との対決に備えるなら、この森を巡る抗争のキープレイヤー達についての知識も押さえておくのが賢明だろう。幸運なことに、そういう知識を一つにまとめた書物が発見されたんだ…どこからともなく、突然にな。

以下の調査書の出どころは一切不明で、書かれてる内容の真偽も定かじゃない、ときてる。なにしろこんな暗いご時世だ、根も葉もない噂がカラスの群れみたいに飛び交ってるからな。

とはいえ、実力者たちのことをほんの少しでも知ってるってことが、呪いとの戦いで生死を分けるかもしれない。

読み進めておきな、勇敢なる怪物ハンターよ。

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時の匠トキ

職業: メイジ、時計職人

趣味: 魔法テクノロジーの無責任な使用、デジャヴ、外側よりも内側の方が広い箱、跳躍、錆びない馬車、箱に入れた猫、不確定性、永遠の円環、再帰、ノズドルムとの駆け引き

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この若きノームのさわやかな笑顔に騙されないように——トキは時間魔術に非凡な才能を持つ、強力なメイジである。風変わりなことに、彼女は呪文を唱えるよりも、自分が発明した複雑怪奇なデバイスを介して、その力を行使することが多い。その揺るぎない決意と、どんなに分の悪いリスクを取ることも辞さない度胸が、彼女を危険なほど凄腕の狩人としている。どういうわけか彼女は、絶好の時に、絶好の場所に必ず居合わせており、また運が絡む出来事はあり得ないほど彼女に有利に働きがちだ。残念ながら、彼女の素晴らしい能力は、自分の魔法が時空間の構造に与える影響への無頓着さと分かち難く結びついている。彼女はギルニーアスに対しても呪いに対しても、無邪気な無関心を示している——どうやら彼女の関心は、未来で自分の人生に何らかの影響を与えるハガサを、現時点で止めることにだけあるようだ。

トキがウィッチウッドにてハガサの所業を打ち払う上で、重要な役割を担うことは確実だ——たとえ何回やり直すことになるとしても!

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時の匠トキ

職業: メイジ

趣味: 射程400可変式プラズマライフル、ひも理論、ジグソーパズル、ウサギのマスク、科学技術、時間の流れの保守

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生来より時間魔術の天才で、さらに戦いの歴史と古傷をその身に刻みこんできたこの大魔法使いは、恐ろしく強力である。最近、彼女は街で頻繁に目撃されている——そのどれもがほんの一瞬ではあるのだが。驚いた目撃者たちは口々に、何もない場所から彼女の姿が揺らめきながら現れると、ほどなく揺らめきながら消え失せた、と言う——まるで彼女が、この時間線では長く存在を維持できないかのように。そして目撃者の目に映った彼女の様子は、何かに取りつかれ、錯乱している風情だったそうだ。奇妙なことに、彼女は市民たちに自分自身の写真を見せながら、「このノームを知らないか」と尋ねているようだ。彼女はギルニーアスに対しても呪いに対しても、我関せずという冷淡な態度を決め込んでいる——どうやら彼女の関心は、未来で自分の人生に何らかの影響を与えるこの街の誰かを、現時点で止めることにだけあるようだ。

追い求める人物を見つけ出すまで、彼女が止まることは決してないだろう。そしてその時が来たら、彼女の強大なる力の前に、哀れなる獲物は災厄の日を迎えることになるに違いない。

(トキに関するこの2つの矛盾した報告書は、全く同時に提出された。どちらの報告書も同じ諜報員により提出されたものだが、本人はどちらの報告書も書いた覚えが全くないと主張している。)

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月を食らうものバク

職業: 夢の蛇、月を食らうもの

趣味: 月面地理学、月面宙返り、夢と希望を貪り食うこと、月食、スムーズジャズ

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ヘビ、ドラゴンホーク、ドラゴン、その他の有鱗の魔法生物について網羅している我々の記録にも、このバクと類似している存在の情報は一切ない。この存在は物理的に目撃された例が一切なく、ただ多人数で共有された夢の中に登場するだけであるため、その本質の調査にあたって任務内容は明らかである。

我々の秘術学者たちの第一の仮説は、バクはウィッチウッドの領域内に肉体を囚われ責め苦を受けたドラゴンの精神体が、物理的現実の外側に顕現したもの——ハガサ自身の悪夢によって捻じ曲げられたこのドラゴンの精神が、夢に投影され棲みついたものかもしれない、というものだった。

バクの正体がなんであれ、彼女を夢に見たものはゆっくりと遁走状態——目覚めても夢見てもいない——に陥っていくとともに、驚くべき方法で自身の意志を表明する能力を発達させる傾向がある。時折、意識がはっきりした状態になると、これらの患者は凄まじくも耐え難い恐怖の感情を示し、そして地平線に沿って身をくねらし、天を覆い隠さんとする万色の巨大蛇を見たと訴えるのだ。

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シャダウォック

職業: 変幻自在の怪物

趣味: 噛みつく、つかむ、パンク・ウォック、パワー・ウォッキング

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この奇妙な存在についての最初の記録は、子供向けのナンセンスな詩の記述にあった。それが災いして、森にシャダウォックが出たという初期の通報は、頭のイカレた者によるヒステリックな戯言として捨て置かれた。確かにその哀れな通報者は頭がイカレていたが、シャダウォックがウィッチウッドをうろついているというのは、恐るべき事実だった。

この存在は「月を食らうものバク」と同様、我々の秘術学者たちを大いに戸惑わせている。バクと同じく、シャダウォックはウィッチウッド独特の怪物であり、どこか虚実の境界、物理法則と魔法の法則の狭間に存在するようだ。実のところ、この怪物は間違いなく存在するにもかかわらず、通常の意味で「現実」のものであるかどうかは定かではない。ずっとそう在り続けてきたのか、それともシャダウォックもまた、ハガサの力の産物なのだろうか?

その正体を憶測しても意味はない。むしろ我々は警告を繰り返すべきであろう、シャダウォックに用心あれ!と。この怪物は非常に危険で、その行くところ現実さえもたちまち変転し、出会い頭にえげつなし、ぶっ壊れる他になし。魂砕かれつぶやく妄言。闇の呪術、降りかかり、捻じ曲げられる知の光。やがて言葉に韻混ざり、されど己は気づかざり。心曲げられ生きるは空し、むさぼり食われる方が可成りマシ。

(注: この報告書はページの途中で唐突に終わっている。また、この報告書の提出以来、この諜報員とは連絡がつかなくなっている。実に奇妙だ…)

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スプリンターグラフト

職業: 復讐に燃える大木

趣味: 彫刻、斧を研ぐ、「取ってこい」をしない

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ギルニーアス近辺では新たに木が伐られることがなくなり、またクロウリーによる兵器の増産体制は資源を必要とするため、この街での木材の供給は急速に悪化している。斧を握りしめて街の外へ出て行った者のほとんどは帰らず、勇敢にも戻ってこられた者たちは驚くべき逸話を語った。木の根がまるで飢えたヘビのように地面を割って飛び出し、割れた切り株が組み合わさったかと思うと、そこには木こりの斧を持った巨大な怪物が聳え立っていた、というのだ。

その怪物とは間違いなく、スプリンターグラフトのことだ。彼女は我々が遭遇した中で最もアンデッドのトレントに近い存在で、その憤怒がものすごい腕力の源となっている。だが彼女の真に恐ろしい能力は、その怪力とはかけ離れたものだ。スプリンターグラフトは他の生物を感染させ、その肉を木に、血液を樹液に変性させることができる。犠牲者はその変身によって筋力と耐久力を激増させるが、ウィッチウッドの呪縛に対して全くの無力になってしまう。

生前、自分の体に刃を立てた者たちへの復讐に燃えるスプリンターグラフトは、ウィッチウッドの木々でギルニーアスの墓が作られる日を待ちきれずにいる。

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白いドレスの貴婦人

職業: 悲しげな亡霊

趣味: 子供たちにメッセージをささやく、小物を隠す、不気味に漂う、ヒッチハイク、ホコリに光が反射した現象のふりをして写真にひっそり映り込む

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呪いが始まって以来、迷える霊たちの活動は著しく増加しているが、そのほとんどは生者への怒りと悪意に満ちた者たちのようだ。だが、ギルニーアス市民が「白いドレスの貴婦人」と呼ぶ霊は、それらとは違う。この暗い時代において、白いドレスの貴婦人はギルニーアス市民たちの希望と安心のシンボルとなった。

この霊が生前は誰であったかについては今も一切が謎のままだ——彼女が幽霊だとするならば、だが。彼女を取り巻く報告の数々が、問題をさらに不明瞭にしている。彼女は深い絶望の淵に陥った者の前にだけ現れるが、目撃者それぞれの置かれた境遇に応じて、あの世から元気づけてくれる母が見えることも、姉妹、妻、あるいは友達そっくりに見えることもあるのだという。彼女のドレスは常に白いが、その細部も見る人によって異なり、ある目撃者は「間違いなくウェディングドレスだった」と言い、またある者は「貴族の奥方のガウンだった」と言う。さらに別の者は「地味な白いシャツを着た、貧しい少女だった」と言う。いずれにせよ、我々が収集した目撃談に共通する要素が1つある。彼女は親切な表情をしているが、同時に痛々しいほど悲しそうで、そして何かを探しているらしい。

白いドレスの貴婦人を目撃できる者は少ないが、彼女を目撃し、その祝福を受けられた者は、絶望から救われ、大いなる希望を持つことができたようだ。

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(ギルニーアス近辺の通称ウィッチウッドにて見られる最近の注目すべき進展は、我々の成長し続ける組織に絶好の報告機会を与えてくれていると考えられる。これまでの研究は、大いに興味深いものだった。以前の調査書についても、諸君からの意見を期待している。

- R.)

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